5月9日、発達ゲイ会を開催しました。
はじめに
今回は、自己紹介から始まり、仕事、発達特性、セクシュアリティ、恋愛、人間関係など、幅広いテーマについて話しました。参加者それぞれの経験は違っていても、「発達特性がある中で、どう働くか」「ゲイコミュニティや職場で、どこまで自分を開示するか」「恋愛や人間関係とどう向き合うか」といった点で、重なる部分も多く見られました。
1部:自己紹介と近況
1部では、自己紹介をしながら、最近の出来事や困りごとについて話しました。
電話をしながらメモを取ることが難しく、職場で指摘されたことでパニックになり、そこから発達特性に気づいたという話がありました。その後、転職してオープン就労を選び、今は電話対応をしなくてもよい環境になったことで、かなり楽になったという声もありました。
また、思いついたダジャレや言葉が空気を読まずに口から出てしまうという話も出ました。主催の永太郎もつられて同じ言葉を言ってしまう場面があり、発達特性ならではの「言葉への反応しやすさ」も共有されました。
ゲイコミュニティの中で、発達障害のことをカミングアウトするかどうか悩んでいるという話もありました。仕事面でも行き詰まりを感じている中で、ウェルカムに来てくれた方もいました。
一方で、セクシュアリティを職場でオープンにしている人はまだ少ないのではないか、という話も出ました。発達障害もセクシュアリティも、どこまで話すか、誰に話すかは簡単に決められるものではなく、それぞれが慎重に考えている様子がありました。
連休中の過ごし方としては、旅行に行った人、いつも通りデイケアに通っていた人、ゲームをして過ごした人、サウナや食べ放題を楽しんだ人など、さまざまでした。お気に入りのイヤホンを買ったのに忘れてしまったという話や、飲み放題のようにルールがわかりやすい仕組みは特性的に合っていてストレスが少ない、という話もありました。
また、二丁目などのリアルな出会いの場についても話しました。最初は楽しくても、急に気持ちが冷めてしまうことや、行くことが習慣化してかえってつらくなることもあるという声がありました。食べ放題についても、自制が効きにくいため、あえて行かないようにしているという話が出ました。
2部:仕事、開示、擬態、障害者雇用
2部では、主に仕事や職場での困りごとについて話しました。
ADHDの診断や特性を会社に隠しながら、経理の仕事をしている方からは、「とにかく不安が強い」という話がありました。今後、海外赴任の可能性があり、海外で受診や服薬を続けられるのかという不安も語られました。また、年齢的にマネジメントを求められるようになることへの心配もありました。
発達特性を職場に開示するかどうかについても話題になりました。開示することで評価が下がる可能性もある一方で、今まで積み上げてきた能力そのものが変わるわけではない、という意見も出ました。診断があるかどうかだけではなく、実際にどのような環境で働けるのか、どこまで配慮が必要なのかを考えることが大切だという話になりました。
家族の問題や介護、機能不全家族の影響から、キャパオーバーになり休職した経験も共有されました。もともと職場はセクシュアルマイノリティや発達障害に比較的フレンドリーな雰囲気だったものの、それでも本人の負荷が限界を超えてしまったという話でした。
そこから、「フレンドリー」を掲げる会社であっても、弱者や当事者の見えないしんどさまでは十分に届いていないことがあるのではないか、という話につながりました。同じ状況であれば、健常者でも心身を崩してしまうのではないか、という意見もありました。
障害者雇用については、手待ち時間のつらさが話題になりました。仕事がない日は一日中やることがなく、それがかえって苦しいという声がありました。一方で、緊急時には忙しくなるものの、配慮があるため何とか続けられているという話もありました。
特例子会社や農園型の働き方についても話しました。土いじり中心の仕事に対して、本人の中にコンプレックスや落ち込みがあるという声がありました。それに対して、つらさを一人で抱え込まず、周囲に言葉にして出すこと、ガス抜きをすることが大切ではないかという話になりました。
また、仕事上の「擬態」についても印象的な話がありました。仕事の場では、自分が「そう見られたい人」を真似ることで、ある程度うまく振る舞うことができるという話です。誰かに悪口を言われても、それは本当の自分ではなく、仕事用に擬態している自分に向けられたものだと考えることで、心へのダメージを減らしているという工夫も共有されました。
3部:恋愛、セクシュアリティ、人間関係
3部では、恋愛やセクシュアリティについて話しました。
長い間、自分はノンケだと思っていたものの、恋愛対象と性的対象が一致していなかったことに後から気づき、ゲイであると自覚したという話がありました。男性が恋愛対象になるという概念自体が、最初は自分の中になかったという声もありました。
そこから、同じ「ゲイ」や「発達障害」という言葉でくくられていても、実際には一人ひとりまったく違うという話になりました。マイノリティの中にも、さらに多様な違いがあることを改めて感じる時間になりました。
恋愛については、片思いを長年こじらせてしまうこと、好きな相手に相方がいることが多いこと、実らない恋を「推し枠」として位置づけることで気持ちを整理していることなどが話されました。恋愛感情として抱え続けると苦しくなるため、あえてポジションを変えることで自分を守っているという話もありました。
一方で、最初から片思いとして深追いせず、「推し」として扱うことに慣れているという声もありました。クローズで生きてきた経験や、相手との距離感を慎重に測る習慣が、恋愛の向き合い方にも影響しているようでした。
また、ASD的な特性として、感想を求められてもその場ですぐに言葉が出てこないという話もありました。主催の永太郎自身も、会の中で感想を求めることを忘れがちだったことに気づかされました。
今回のまとめ
今回の発達ゲイ会では、仕事、開示、擬態、障害者雇用、恋愛、セクシュアリティなど、多くのテーマが出ました。
話題は幅広かったものの、根底には共通して「自分の特性や立場と、どう付き合っていくか」という問いがありました。
発達障害があること。
ゲイであること。
職場で働き続けること。
恋愛や人間関係を築くこと。
どれも一人ひとり事情が違い、簡単な正解はありません。
それでも、同じ場で話してみると、「自分だけではなかった」と感じられる瞬間があります。今回も、参加者それぞれの経験を通して、発達特性とセクシュアリティの重なりについて考える時間になりました。\
\次回の発達ゲイ会は6月13日(土)です!/