ウェルカム通信 12号|発達ゲイ会 開催報告

2026年6月発達ゲイ会の画像

発達ゲイ会 開催報告

「友達づくり・恋愛・働き方」について話しました

今回の発達ゲイ会では、参加者の方から事前にいただいた要望をもとに、3部構成で話し合いを行いました。

テーマは、
「LGBTQの友達づくり」
「発達特性と恋愛・マッチングアプリ」
「就労・合理的配慮・二次障害との付き合い方」
の3つです。

発達特性とセクシュアリティの両方を抱えていると、どちらか一方だけでは説明しきれない困りごとがあります。

たとえば、LGBTQの場に行っても、そこでは発達特性の話がしづらい。
発達障害のある人の場に行っても、今度はセクシュアリティの話がしづらい。

そのあいだで、「どこまで自分を出していいのか」「誰に何を話せばいいのか」と迷う声が多く出ました。

第1部では、LGBTQの友達づくりや、人間関係の距離感について話しました。

参加者からは、
「セクマイの友達がほしい」
「定型発達のゲイの人たちの中では、素を出しづらい」
「擬態していると疲れてしまう」
「ノイズの少ない友達がほしい」
といった声が出ました。

ゲイコミュニティの中でも、発達特性があることで、会話のテンポや空気の読み方、連絡頻度、遊び方の感覚が合わず、しんどさを感じることがあります。

また、カミングアウト前からの友人関係が変わってしまったり、年齢を重ねる中で人間関係が狭まっていく感覚についても話題になりました。

一方で、「人間関係が狭まったからこそ、特に困らなくなった」という声もありました。
無理に広げるより、自分に合う距離感を大事にしたいという考え方です。

話し合いの中では、
「いつでも会える友達」よりも、
「体調や特性をある程度わかってくれて、無理なく関われる友達」
を求めている人が多いことが見えてきました。

第2部では、恋愛やマッチングアプリについて話しました。

特に多かったのは、発達障害のことを「いつ、どこまで伝えるか」という話です。

最初からプロフィールに書く人もいれば、基本的には書かず、関係が進んでから伝える人もいます。
また、「診断名ではなく、性格や傾向として知ってほしい」という声もありました。

発達障害というラベルだけで判断されたくない。
けれど、まったく伝えないままだと、誤解されたり、自分が苦しくなったりする。

その間で、多くの人が迷っていました。

マッチングアプリについては、
「見るだけで疲れる」
「返信するのがしんどい」
「顔出しをするか迷う」
「プロフィールの書き方を工夫している」
といった声が出ました。

また、ASDやADHDといった診断名に対して、相手が勝手なイメージを持ってしまうことへの不安も話題になりました。
ネット上の情報や当事者発信によって理解が進む一方で、ステレオタイプな見方をされることもある、という声もありました。

恋愛の場面では、返事のタイミング、リアクション、感情表現、会話のテンポなどが誤解につながることがあります。

たとえば、感想がすぐに出ない。
共感していないわけではないのに、反応が遅れてしまう。
言葉にするまで時間がかかる。

そうした特性が、「冷たい」「興味がない」「共感がない」と受け取られてしまうこともあります。

今回の話し合いでは、恋愛においても、無理に自分をよく見せるより、少しずつ自分の扱い方を共有できる関係が大事なのではないか、という方向に話がまとまりました。

第3部では、働き方、合理的配慮、二次障害との付き合い方について話しました。

参加者からは、障害者雇用、クローズ就労、自営業、在宅勤務、時短勤務、農園での仕事、福祉サービスに関わる仕事など、さまざまな働き方の話が出ました。

働く上での困りごととしては、
「擬態が疲れる」
「テンションを維持するだけでぐったりする」
「耳からの情報処理が苦手」
「議事録や口頭指示が難しい」
「電話対応が負担になる」
といった声がありました。

合理的配慮については、
「口頭だけでなくテキストで伝えてほしい」
「時短勤務で自分らしく働きたい」
「自転車通勤が気分転換になっている」
「全部を覚えようとせず、必要な情報を調べられる仕組みにしている」
など、具体的な工夫も共有されました。

また、うつ、双極症、統合失調症など、発達障害に伴う二次障害についても話題になりました。

発達特性そのものだけでなく、長年の無理、失敗体験、対人関係の摩耗、職場での叱責や緊張によって、心身に大きな負担がかかることがあります。

「自分が悪い」と抱え込みすぎてしまう。
怒られた時に人格ごと否定されたように感じてしまう。
働き続けるために、どこまで頑張るべきか分からなくなる。

そうした声もありました。

一方で、働きやすい環境については、
「周囲もミスをするし、それを許し合える環境」
「一人で完璧に抱え込まなくていい環境」
「自分の特性を少しずつ理解していける環境」
が大切なのではないか、という話になりました。

今回の発達ゲイ会では、友達づくり、恋愛、働き方という一見別々のテーマを扱いました。

しかし、どの話題にも共通していたのは、
「どこまで自分を出すか」
「どこまで擬態するか」
「自分を守りながら、人とどう関わるか」
ということでした。

発達特性があることで、人との距離感に迷う。
LGBTQであることで、話せる場が限られる。
その両方が重なることで、さらに言葉にしづらいしんどさが生まれることがあります。

発達ゲイ会では、そうした話を、正解を決めるためではなく、
「自分だけではなかった」と確認するために共有しています。

今回も、参加された方それぞれの経験から、多くの気づきが生まれる時間になりました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。